ブログやサイトでアフィリエイト・プログラムに取り組まれている方々はもちろん、アフィリエイトには取り組まれていないブロガーの方々でも利用比率の高い広告収入サービスがあります。それが、グーグル社が提供する『Google
AdSense』(以下Googleアドセンス)です。クリック報酬が加算される検索連動型、およびコンテンツマッチ型の広告配信サービスです。
アフィリエイト業界においてもっとも認知度が高いのが、コンテンツ向けGoogleアドセンスです。これはサイトやブログにコードを貼り付けると広告が表示され、その広告がクリックされるごとにと報酬が得られる仕組みとなっています。一般的なアフィリエイト・プログラムとは違い、サイト運営者が自分で広告を選ぶのではなく、Googleアドセンスのシステムが自動的にサイトの内容を解析し、そのサイトにあった広告を配信するのが特徴です。 当サイト「アフィリエイトSOGO.COM」を運営するクロスワーク株式会社主催の「ビジネスアフィリエイトセミナー2009」(2009年12月)や、「A8キャンパス初心者向けアフィリエイトセミナーin静岡」(2010年1月)にも講師としてグーグル株式会社アドセンスオンライン事業部の方が協力されていることからも分かる通り、近年アフィリエイト業界内においても積極的に活動をされています。 |
アドセンスオンライン事業部の柳田部長 |
申込や注文といった成果報酬型ではありませんが、クリック型のオンライン広告収益サービスとしてアフィリエイト業界内でも人気の高い『Googleアドセンス』。今回アフィリエイトSOGO.COM編集部では、グーグル株式会社グーグル・アドセンスオンライン・柳田部長、そして清水さんのお二人に突撃インタビュー取材を実施させていただきました。
お二人にはGoogleアドセンスの特徴やアフィリエイトとの関連性、取り組み方のアドバイスやこれからの展開等、インタビューを通じてたっぷり語っていただきました。ぜひGoogleアドセンス特別インタビューを最後までご覧ください。アフィリエイトとアドセンスの両方で稼ぐヒントを得て頂けるかと思います。
Googleアドセンス・インタビュー -価値ある媒体に収益を-
KASAI(以下K): ---お忙しい所、インタビュー取材のお時間取って頂き誠にありがとうございます。本日はよろしくお願い致します。
Google柳田様・清水様(以下、柳田・清水): こちらこそよろしくお願い致します。
K: ---それではさっそくなのですが、Googleアドセンスの特徴についてお伺いできますでしょうか。
柳田: アフィリエイターの皆さんが運営されるサイトやブログでは、成果報酬型の広告を掲載されている事と思います。申込や売上といった成果ではなく、クリックが発生した時点で報酬がもらえるというのが、我々のGoogleアドセンスです。他のアフィリエイト・サービス・プロバイダー(以下ASP)さんのように無料で使って頂く事が可能です。利用にコストが発生しないので、敷居を低く利用開始していただけるようになっています。
もう一つの特徴として、アドセンスに登録して実際に使い始めるまで、そんなに手間がかからないという点があります。ASP経由でアフィリエイトに取り組まれている方は、毎回アフィリエイトの広告をいつまで貼っていいのかなどの作業が発生すると思うのですが、Googleアドセンスは指定のコードを貼ってさえいただければ、そこのコンテンツに一番適した広告が自動的に配信されるサービスのため、手間がかからないんです。
K: ---Googleアドセンスは無料で始められて、かつ登録後も最適な広告が自動的に配信されるため手間がかからない、クリック報酬型の広告、ということですね。
柳田: はい、その通りです。アフィリエイターの方ももちろんですが、例えば法人サイトで媒体担当者になられた方など、まだページの更新そのものに慣れていない方もたくさんいらっしゃると思います。そういった方にも、簡単にスタートして色々テストしながら、作業負担がかかることなく広告収益を得て頂けるサービスとしてアドセンスはご好評いただいています。
それからもう一つは、今のトレンドとしてパソコンだけでなく、モバイルやスマートフォンなど様々なプラットフォームが利用されるようになってきています。最近ではアプリケーションを作られる方々も増えてきていますが、こうした様々なプラットフォームにGoogleアドセンスはすでに対応しています。そのためサイトやブログを持っていない方でも、いろんな方面の方々にお使い頂けると思っております。
K: ---申込や購入ベースでのアフィリエイト広告との違いとしては、どんな点がありますでしょうか。 柳田: 注文や購入までいかなくてもいいですよ、という意味では決してありません。広告を出稿される方々にとっては、クリックだけされても注文や購入がなければ広告費も無駄になってしまいますから。クリックで報酬が支払われる仕組みですが、より高い報酬を獲得するためにはしっかりしたコンテンツが必要です。コンテンツを作ってアフィリエイト広告を選ぶというのではなく、優良なコンテンツを作ればその分報酬につながる広告がアドセンスに自動的に表示される、という点が一番の違いかと思います。 清水: 後はやはり成果報酬型ではないので、広告主様がブランドを作る為に、イメージ広告や動画広告の利用がアドセンスでもかなり増えてきています。申込や購入といった成果ではなく、その前段階のブランド浸透を狙ってGoogleアドセンスのネットワークを使われている、ということは多くのケースで存在します。 柳田: そうですね。我々はディスプレイ広告と呼んでいますが、アドセンスの中でもテキストだけでなくて、イメージだとか動画だとかの技術がどんどん増えてきています。増えてきている理由は、最終的に買ってもらう、注文してもらうというアクション以外の面を重視されている広告主が多いという点にあります。ここがアフィリエイトとは少し違う点かもしれませんね。 |
Googleアドセンスインタビュー風景 |
K: ---情報の価値に応じて、違った目的をもった広告が最適な手法で表示されるという形ですね?
柳田: そうですね。広告主から見るとやっぱり製品名や型番まで分かっていて購買意欲をしっかり持っているユーザーは、検索してそのまま買いに行ってくれると思うんですよ。でも、その前のデジカメが欲しいという段階の方にとっては、デジカメという単語で検索するか、デジカメ情報について書かれているサイトに行くか、ある意味オンライン上でウィンドウショッピングしているわけですよね。
こういった段階のユーザーに、探している目的にあった記事に、最適な広告がアドセンス枠に自動的に出ていてくれると、それ自体、「あっ、こういう型番のものが出ているんだ」という認知につながるんです。そこで次はメーカーのサイトに飛んで詳細情報を確認するかもしれませんし、欲しいと思ったらそれから更に型番を絞って検索する方もいると思います。
最後の購入というアクション以前の段階で、広くアドセンスは広告主に使っていただけるという風に考えています。ニッチなものに関しても豊富な広告在庫を持っているので、こんな広告ないだろうというニッチな情報を書いているサイトやブログにも、そのものズバリみたいな広告が出ているということがあるので、そういう意味では非常に幅も広いと思います。
K: ---Googleアドセンスは登録も利用も簡単なようですが、登録するにあたって審査はあるのでしょうか?
柳田: はい、審査はあります。良質なサイトに使って頂きたいという考えがありますし、何より情報が少ないとコンテンツに合った広告が配信されませんから、一定の審査を登録時に実施させて頂いています。広告主からお金を頂いてアドセンス利用者に再分配させて頂いている以上、広告主を守る為にも審査は必要だと感じています。
ただ、基本的に良質なブログであれば、審査は問題なくクリアできますよ。逆に楽してお金をもらいたいという考えが最初にあって、オリジナルな情報がなく広告だらけのブログとかでは、Googleアドセンスはあまり歓迎はしていません。アフィリエイトでも一緒ですよね?ユーザーにとって価値の無い媒体には、収益をあげることはできないはずなんです。
清水: 今はもう変わってしまったのですが、去年のアドセンスのキャッチコピーは「あなたのサイトがメディアになる」という物でした。法人でも個人でも、皆様が自分のサイトをメディアだと認識して、責任を持って運営して頂きたいというのが我々の思いです。アドセンスのためのサイトではなく、読者のためのサイト作りをお願いします。
柳田: 逆にメディアとして確立された媒体であれば、より高い対価をお払いしたいという広告主様も出てくるでしょうし、そういうケースも実際に多数存在しています。ただし、繰り返しになりますが、価値がない媒体に対しては、広告主側は広告費を払いたくありませんし、払うべきではないという風に我々も思っています。
K: ---価値ある媒体、アフィリエイトにおいてもとても重要な点です。では、実際にGoogleアドセンスを利用中のユーザーに向けて、使い方や取り組み方などのアドバイスをお願いできますでしょうか。
柳田: サイトやブログ以外にもプラットホームをたくさんお持ちになっているのであれば、そのプラットホームにあったアドセンスをお使い頂きたいという点が一つです。それから、例えばパソコンのサイトを運営している場合、一番ページビューの高い人気の場所にアドセンスを貼って頂くのが、オプティマイズ(最適化)のコツです。スクロールせずに見えるところに貼ってアドセンスがパフォーマンスも良いですね。
後は、細かくサイトに応じて最適化のヒントというのはありますので、ぜひGoogleアドセンスのサイトを見て頂いて、成功事例や最適化のヒント、動画コンテンツなどを活用していただければと思います。また、リアルではセミナーも定期的に行っていますので、そういった場所もぜひ活用していただければと幸いです。
K: ---Googleアドセンスは教育コンテンツがどんどん充実していますよね。クロスワーク主催のビジネスアフィリエイトセミナーにも講師として登場頂きましたし、オンライン&オフラインでの教育活動が広がっているように感じます。
柳田: まだまだ豊富だとは言えませんが、出来る限りいろいろと取り組んで行きたいと思っています。AdSense利用者様同士のフォーラムなどもあるので、分からない事があればユーザーさん同士で教えあったりというような環境も整っています。Googleからの情報はもちろん、ユーザー同士の情報交換という所も使っていただければと思います。
これから始められる方は、アドセンスの使い方というページがあるので、そこを上手に使っていただければどなたでも簡単にアドセンスを始める事が出来ると思います。そして、最適化などを行うなど、さらに極めて頂ければと思いますし、様々なプラットホームをお持ちであれば、いくつかのプラットホームへの横展開をしていただくことも可能です。
K: ---アドセンスに慣れてきてメディアとしての質が高まって来たら、アドワーズ広告に出稿を使ってみるという考え方もあると思うのですが、両方使って欲しいという考えはお持ちですか?
柳田: はい、ぜひ両方使って頂きたいと思います。アドワーズで自分のサイトを宣伝されて、人を集めるというということも当然重要だと思います。広告費を支払って来て頂いた方にはアドセンスをクリックしてもらいたくないという考え方もあるとは思いますが、どっちにしろいつかはサイトから出て行くのであれば、出て行くときにも収益につながる仕組みがあった方が良いのではないかと思います。 それにサイトのトラフィックが増えれば増えるほど、コンバージョンが高いお客さんを集めることができるので、純広告枠も売れると思うんですよね、我々は他社の広告製品を使うなというようなことは考えていませんので、固定費が入る順広告枠も売って頂いて、それ以外のところはアドセンスを貼っていただいて、上手く様々なページで収益化を図っていただければ、お互いにWin-Winになれるはずだと思っています。 |
柳田さん「メディアとしての質を高めることが大切です」 |
K: ---PVが増えればアフィリエイトや純広告そしてアドセンスとユーザー側の選択肢も広がりますね。今後どういう方向に向かってサービス展開されて行かれるか教えていただけますか?
柳田: Googleアドセンスの方向性としては、今後も様々なプラットフォームで出していく事になります。日本はモバイルが強いので、モバイル・アプリケーション向けのアドセンスも強化していく予定です。様々なプラットホームが出れば、それに対応した広告を紹介できるようにしていきたいと思っています。
それと、4月1日からダブルクリックジャパンさんの事業を我々グーグルの方でサービス提供を行うと発表させて頂いております通り、今後はダブルクリック社のネットワークを上手く活用した広告展開を取り入れていく予定です。そうなればなるほど、グーグルの広告の種類が増えていくだろうと思います。
K: ---新たな展開期待しています。それでは最後に、アフィリエイトSOGO.COMの読者に向けてメッセージをお願いします。
柳田: アフィリエイト広告をお使いいただきながら、アドセンスを併用いただくと事も十分に可能だと思っています。また、アドセンスはアドセンスなりの良さというものがありますので、そこを上手く活用していただいて、ご自分が独自の良質なコンテンツを発信する際にその収益の一助としていただければいいなと思っています。
逆に、細かいところは分からない、アフィリエイトの仕組みはよく分かっているけど、アドセンスはよく分からないということであれば、アドセンスのホームページに様々なヘルプのコンテンツが用意されていますし、ウェビナーというWEBでのセミナーも開催されていますので、そういったものをご利用いただいて、アドセンスの世界も楽しんでいただければ嬉しいです。
清水: アドセンスはグーグルのアクセス解析とリンクさせることも出来ますので、どのページが一番収益を上げているか、クリック率など参考にしながらサイトの構成を変更する事も可能です。また5月末に、広告サービスを管理するための無料の広告配信ツール「DFPスタンダード」が日本のユーザー向けに開始されました。
このプロダクトは、純広告の空き枠にAdSenseを表示させることができますので 是非ご利用下さい。ご利用にはアドセンスのアカウントが必要なので、お持ちでない場合はこちらよりお申し込み下さい。このようにGoogleアカウントを是非作って頂いて、アドセンスやアドワーズ、アクセス解析など様々なサービスをご活用いただければ幸いです。
K: ---メッセージありがとうございました。本日はお忙しい中、インタビューにご協力頂き誠にありがとうございました。
柳田・清水: こちらこそありがとうございました。
頻繁に更新されている方や、特定ECサイトのみアフィリエイトで注力されているような方にとって、Googleアドセンスは使い勝手の良いサービスだと思います。アルファブロガーと呼ばれる方々も、レビュー記事内にはアフィリエイト広告を掲載し、日々の記事更新はアドセンスに任せるというスタンスを取られている方が少なくありません。
当サイト「アフィリエイトSOGO.COM」で2010年3月から5月にかけて実施させて頂きました『第4回アフィリエイトアンケート』の集計結果を見てみるも、アフィリエイターの実に3分の2以上がアドセンスを利用しているという結果になっています。それだけGoogleアドセンスはアフィリエイトサイト運営者にとっても相性の良いサービスとなっています。
インタビュー内でも柳田さんと清水さんがお話されていますが、アドセンスで収益を上げるためには、オリジナル情報が豊富な付加価値の高いメディアを運営するというのが最も大切なポイントになります。これはアフィリエイト・プログラムでも同じことが言えます。アドセンスやアフィリエイトのためだけに媒体を運営するのではなく、訪問して下さる方にとって有益なメディアでなければなりません。
数年前まではGoogleアドセンスと言うと機械的なイメージであったり、冷たいイメージもありましたが、近年はオフラインでのセミナー開催や今回のようなインタビュー取材への協力、さらには様々なプラットフォームを利用した教育支援等など、アドセンスユーザーとの信頼関係構築に積極的に注力されているようです。
Google社ではアドセンス以外にも、広告出稿側として利用できる「AdWords(アドワーズ)」や、無料で利用できるアクセス解析サービス「GoogleAnalytics」、アフィリエイト専用アカウントとしても活用できる大容量メールサービス「Gmail」といった、アフィリエイターの利用価値の高いサービスが多数用意されていますので、こうしたGoogleサービスを併用してみるのもオススメです。
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