ECサイトとしてアフィリエイト・ビジネスを運用していくと、多くの質問や意見をアフィリエイトサイトから受けるようになっていきます。アフィリエイトって何ですか?といったようなシンプルな質問もあれば、成果報酬の条件や仕組みについての詳細な意見もあり、またクレームが届く事があれば迷惑メールの標的となることもあるでしょう。
アフィリエイト・サイトからの問い合わせに対する答えを、ECサイトはどうすれば良いのか。その点について、確固たる信念やルールを持って取り組んでいるECサイトはまだまだ少ないのが現状だと思います。問い合わせをそのまま放置してしまうECサイトもあれば、伝えなくてもよい情報を答えてしまうケースもあるでしょう。
アフィリエイト・サイトからの問い合わせにどのように回答するかは、各ECサイトごとに個別に考えがあるのは当然のことで、全ECサイトが同じルールを共有する必要は無い、いや共有する事はできないのが現実です。ですが、アフィリエイト・プログラムを運用するECサイトとして、決して忘れてはならないルールがあります。それが、「応えること」です。
「応えること」とは、「答えること」とは違います。質問に対する答えを伝えるのが「答えること」なのに対し、ECサイトによる「応えること」とは「アフィリエイトサイトの希望や意思を理解し最善の行動を起こすこと」です。これができるECサイトは、あまり多くはありません。なぜなら、「応えること」ができるかどうかは、ECサイトとしてアフィリエイトサイトをどのように扱っているかで大きく違ってくるからです。
アフィリエイト・サイトからの質問を無視するECサイトは、現実に存在します。そうしたECサイトは、「応えること」ができていないと言えるでしょう。また、アフィリエイト・サイトからの質問を、数日後や数週間後の忘れた頃に返信するECサイトもあります。こちらも、「答えること」はできていても、「応えること」はできていないと言えます。
ECサイトにとって、問い合わせをしてきたアフィリエイト・サイトは提携している数百、数千、時には数万サイトの中の1つでしかないのかもしれません。しかし、問い合わせをしてきたアフィリエイト・サイトにとっては、問い合わせというアクションを起こしたECサイトはこの世でただ1つなのです。すぐにでもアフィリエイト広告を掲載してくれるサイトかもしれません。もしかしたら、何か素晴らしい成果アップの情報提供かもしれません。迅速な返信を行う事で、新しいアフィリエイトサイト獲得のキッカケを作ってくれるサイトかもしれません。
しかし、「応えること」ができなければ、そのチャンスは泡となって消えてしまうでしょう。アフィリエイト・サイトからの質問が難しかったり、企業秘密に抵触して答えられないことはあるかもしれません。しかし、だからといって質問を無視するべきではありません。「答えられない」ことと、「答えない」ことは全く違います。「答えられない質問」でも、その旨をしっかりとアフィリエイトサイトに伝えれば「応えたこと」に繋がります。しかし、返信も何もせず「答えない」でいたら、アフィリエイトサイトにとってそのECサイトは「応えてくれない」というレッテルを貼られてしまうのです。
全ての質問に回答して、意見を取り入れ、クレームに侘びをいれ、そして迷惑メールに目を通せというわけではありません。質問には回答か回答不可の連絡を、意見には考慮や追加の質問を、クレームには事実確認や誠意を持った対処を、迷惑メールには受信システムの強化を、そうしたアクションを行うか行わないかで、「応えられる」ECサイトであるかどうかが大きく違ってきます。ECサイトとしてアフィリエイトサイトからの問い合わせに「答えられないこと」があっても、「応えられないこと」があってはならないのです。
ECサイトのことだけではなく、アフィリエイト・サイトの事も考えて起こす行動。それが、「応えるということ」なのです。何をバカバカしい事をと思われる方もいるかもしれません。それは理想論だと結論付けられる方もいるかもしれません。しかし、「応えること」という信念をもってアフィリエイト・プログラムを運営しているECサイトの多くは、現在のアフィリエイト業界でも成功しているECサイトとしてその名前があがります。逆に「応えること」を何一つしていないECサイトは、アフィリエイト業界では成功をつかむ事はできないのです。
あなたの会社やビジネスのアフィリエイト・プログラムは、アフィリエイトサイトに応えてることができますか?アフィリエイト・プログラムを既に導入しているところはその点をもう一度考えてみて下さい。アフィリエイト・プログラムをこれから導入するところは、「応えること」の大切さをこれから決して忘れずにいて頂きたいと思います。
【VOL.04】 -基本- アフィリエイターへの情報提供 |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月