アフィリエイトサイト側として提携する企業の中には、既に他の広告主のアフィリエイト・プログラムにアフィリエイトサイトとして参加している企業も存在します。ここではそうした「アフィリエイトサイトであり、また広告主でもあるECサイト」を“広告主アフィリエイター”と呼ぶ事にしますが、この広告主アフィリエイターとの提携には一般のアフィリエイターは注意が必要です。
前回の「ポイント系サイトとの提携」でも少しお話しましたが、あるポイント系サイトAが、他の広告主Bのアフィリエイト広告商品を掲載していた場合、そのアフィリエイト広告経由で上がった売上分はアフィリエイターへの還元対象外となるケースも多々存在します。いくらアフィリエイトサイト側が頑張ってポイント系サイトAに送客したとしても、肝心のそのポイントサイトAが広告主Bに送客するだけでは、成果を得られるはずはありません。
これはポイントサイトだけではなく、通常のショッピングサイトなどの広告主にも同じ事が言えます。広告主の提携条件をよく読むと、「売上の○○%をお支払いします。ただし、××と△△の売上は対象外となります。」といったような注意書きを目にすることがあると思いますが、この場合はその対象とならない売上は、他の広告主のアフィリエイト広告になっている可能性があります(その他の可能性としては商材の利幅的に無理だとか、トラッキングできない状況にある、といったもの)。
広告主アフィリエイターのアフィリエイト・サイトになると、常に「送客してたとしても、成果に繋がりにくいのでは?」という考えと隣り合わせになるでしょう。とくに売上連動型のアフィリエイト・プログラムなら、その不安はなおさらでしょう。では、広告主アフィリエイターとの提携は見送った方が良いのかというと、決してそういうわけではありません。逆に、広告主アフィリエイターとは積極的に提携し、リレーションシップを良好なものにするべきなのです。
広告主アフィリエイターは、最初にも述べたように広告主とアフィリエイトサイトという2つの顔を持っています。つまり、普通の広告主では得る事のできないアフィリエイト・サイト側の考えや情報というものを、一般のアフィリエイト・サイトと共有できる基盤ができているということです。
また、今後アフィリエイト・プログラムが間違いなく広まっていく時流の中では、こうした広告主アフィリエイターの存在はこれからもどんどん増えていきます。広告主アフィリエイターだからといった理由で提携しないでいると、将来アフィリエイト提携できる所がごく限られてきてしまいます。
他の広告主のアフィリエイト・サイトとしても参加している広告主は、確かにコミッション獲得チャンスは他の広告主と比べて少し低いかもしれません。ただ、良好なアフィリエイト・リレーションシップの構築と、今後のアフィリエイト業界の発展を考えると、彼らは決して無視できない存在であるのは間違いありません。アフィリエイターとして、どのように広告主アフィリエイターと共存、そして時には競争していくか。この業界に身をおくアフィリエイターなら、その点を常に模索していく必要があるでしょう。
【VOL.15】 -注意- アフィリエイト・プログラムの注意点 |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月