アフィリエイト・プログラムの提供をスタートする前に、広告主が必ずやっておくべきこと。それが、アフィリエイトサイト向けにルールを作成することです。アフィリエイト・プログラムは、利用者側にとっては比較的自由に広告が掲載できるWEBマーケティング手法です。ルール無き世界で自由だけが存在すると、それはいつか歪みを生んでしまうのが常と言うものです。
アフィリエイトの基本的なルールは、アフィリエイト・サービス・プロバイダー(以下A.S.P.)が作成、公開しているものです。ですが、ECサイト個別のルールというのは、実のところほとんど作成されていないというのが現実です。アフィリエイターに商品やサービスを広く深く告知してもらいたいという思いはどのECサイトも持っていると思いますが、同時にアフィリエイターにこのやり方やこの紹介の仕方は行ってほしくないという点も必ず存在するはず。そうした点を、独自のアフィリエイト・ルールとして制定しておくことも必要なのです。
多数のアフィリエイト・サイトと提携していると、中には望ましくない行為を行うサイトというのも出てきます。問題が起こってから対処するのでは、流れの速いネットビジネスではマイナス要素があまりに強いです。問題行為の予防、そして自社のアフィリエイト・ポリシーをしっかりと認識してもらうためにも、アフィリエイト・ルールの作成は必要不可欠なものなのです。
さて、では実際にどういったアフィリエイト・ルールを作成すればよいのでしょうか?この点は、各ECサイトによって違ってきて当然の事なのであえて詳細は解説しませんが、基本的な事を述べるのなら「やってもらいたくない事、そして知っておいてもらいたい事を伝える」という理念の元、ルール選定するべきです。例えば、自社の商品はアフィリエイターの自己購入も成果としてカウントするのか否か、特定商品をアフィリエイトできるのか否か、キャンセルが出た場合や納品が遅れた場合の成果確定はどうなっているのか、自社ブランドのSEOをアフィリエイトに認めるのかどうか、等あげていけばきりがないくらいあります。
そうした告知したい点、防止したい点の中から、もっとも重要かつ将来必要になると思われる物を見定め、それを独自アフィリエイト・ルールとして設定、公開しておきましょう。A.S.P.の中にはプログラム詳細ページが持てる所もありますので、掲載が可能なようならその詳細ページに。もし難しいようでしたら、自社サーバーにルールページを掲載し、A.S.P.内からリンクを貼る事で対処しましょう。
また、途中でアフィリエイト・ルールを作成したり、変更したりした時はメルマガ等を使ってしっかりとアフィリエイトの告知しておきましょう。「知らなかったからやった」という問題が発生する可能性を、できる限り減らす必要があるのです。そうでなければ、アフィリエイト・ルールを作成する意味はありません。作成と告知、この2つが重要になることを忘れないで下さい。
今回ご説明したような独自アフィリエイト・ルールを事前に作成しておくと、問題が起こった時の解決がよりスムーズになります。「なぜこれはダメなのか?」とアフィリエイトサイトから質問が届いた時にも、「このルールに書いてある通りです」と説明も簡単になるでしょう。アフィリエイト・プログラムは広がりのあるWEBマーケティング手法であると同時に、多種多様な問題が起こりうる可能性が高いビジネスモデルでもあります。企業側としてアフィリエイト・ビジネスに参加するからには、しっかりとしたポリシーとルールを持ち、アフィリエイト・サイトをガイドしてあげる必要があるのです。
【VOL.08】 -基本- 情報収集を行うこと |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月