アフィリエイト提携と一口に言っても、色々な種類があります。今回は、その中でも「大手企業との提携」をテーマにコラムを書かせていただきます。「大手企業」と一言で言ってもその対象は人によって様々だと思いますが、基本的にここでは上場をしている企業でブランド名やサイト名を一度は聞いた事がある企業として説明させていただきます。
広告主(ECサイト)側としてアフィリエイト・プログラムを運営する上で、最も時間と手間がかかるのは、間違いなく大手企業と呼ばれる所との提携でしょう。「ウチのアフィリエイト広告を掲載して下さい」とお願いしても、「ハイ分かりました。では明日から掲載します」というように簡単に事が運ぶ事はまずありません。
特に、広告主側にそれなりの知名度や規模が無いと、提携すらしてもらえないという可能性もあります。もし提携OKとなっても、大手企業用に独自の広告原稿を用意したり、特別なコミッションを提案しなければならいケースも多々存在します。さらに準備が整って掲載スタートしても、掲載スペースや時期が限られていてまったく売れずに終わるといった事も起こりえます。
時間と手間がかかり、売れるかどうかも分からない大手企業との提携。それにも関わらず、広告主の中にはまだまだ大手企業との提携こそがアフィリエイトの最良策だと考える所も数多く存在します。それは何故か?一言で言ってしまえば、「ブランド力」でしょう。例えば社内でのプレゼンテーションでも、「100の個人サイトと提携しました」と発表するより、「東証一部に上場している某大手サイトと提携しました」と言った方が説得力があります。
また、「ブランド力」のある企業に広告を掲載してもらうことは、さらに多くのアフィリエイトサイトとの提携のキッカケにも繋がります。有名サイトに掲載されている商品ならば、ウチのサイトでも掲載してみようと、そう考えるのはある意味当然かもしれません。またアフィリエイトの観点から少しはなれて考えてみても、アフィリエイト提携をそうした企業と結ぶ事で、アフィリエイト以外のビジネス・チャンスが広がることも考えられるのです。
大手企業のアフィリエイト・サイトが必ずしも成果を出してくれるとは限りません。もちろん、トップクラスに売ってくれる所も多々存在しますが、会社のルールや提携条件が足かせとなり、ポテンシャルをほとんど発揮できずに数字的な成果が出ない提携になってしまうケースも多く存在します。
しかし、大手企業との提携は、単純な数字に現れない部分でのメリットというのが多数存在するのも確かです。たとえ期待通りの成果が出ずとも、その次のステップに一番つなげられるのが大手企業との提携なのです。時間や手間を考え、その提携が本当に意味のある物になりえるのか。ECアフィリエイト・プランナーとして、大手企業との提携は分析力と判断力がもっとも要求されるアクションの1つとなることでしょう。
【VOL.12】-提携- 中小企業との提携 |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月