なぜこうした「数字を掲載するサイト」にEC側は注意しなければならないのか。その答えは大きく分けて2つあります。1つは、「数字が間違っている」ことにより、問題が発生してしまうから。そしてもう1つは、「知られたくない数字が掲載される」ことで、競合他社に有利な状況が作られてしまう危険性があるからです。
最初の「数字が間違っている」というのは、アフィリエイト業界でもよく起こるケースです。例えば、期間限定価格の商品なのに期間終了後も特別価格のままアフィリエイトサイトで掲載されてしまい、ユーザーからのクレームに繋がる場合や、プレゼントキャンペーンの締切がアフィリエイトサイト上で4月30日迄と記載されているが、実はコレは去年の4月30日までのキャンペーンだった、というような間違いです。特に価格は、本当ならもっと安い金額で売っているのに、アフィリエイトサイトで昔の高い価格が掲載されているために客の誘導に繋がらない事態にもなりかねません。
もう1つのケース、「知られたくない数字が掲載される」アフィリエイトサイトを見てみましょう。こちらは例えば、「A社の成約率は5%で、B社は10%」といった情報ですとか、「自分のアフィリエイトサイトのコミッションは特別報酬の20%」といったような情報になります。なぜこうした数字情報に注意しなければならないかというと、前者の例で見るともし自社がA社だったとした場合、B社にアフィリエイターをとられてしまう可能性がありますし、後者の例でも万一そのサイトに特別なコミッションを提供していた場合、他のアフィリエイターからのクレームに繋がる恐れがでてくるからです。
数字の情報というのは、時期によって変化するものが多く、また数字の中には特定のアフィリエイトサイトにしかあてはまらないものも多数存在します。にも関わらず、そうした「数字情報の掲載」を前面に押し出しているアフィリエイトサイトと提携してしまうと、後々問題が起こりかねません。プログラム等により自動的に正確な数字情報をリアルタイムで反映してくれるアフィリエイトサイトならまだ話は別ですが、手作業で数字を掲載しているアフィリエイトサイトには、リスク軽減のためにもある程度の注意は払わねばならないのです。
クレームの増加、そして見込み顧客の減少といった事態に影響する可能性がある「間違っている数字を掲載するアフィリエイトサイト」。ライバルに有利な状況を与えてしまいかねない「知られたくない数字を掲載するアフィリエイトサイト」。大小の規模あれ、ECアフィリエイトプランナーとしてこれら2つのジャンルのサイトとは常に付き合っていかなければなりません。対応策はそれぞれの企業によって異なるでしょうが、良好なアフィリエイト・プログラムを運用していきたいのであれば、少なくと、現場レベルではこうしたサイトを把握しておく必要があるのです。
【VOL.17】-注意- イメージサイズの変更サイト |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月