なぜこうした「自由リンク素材の提供」にECサイト側は注意しなければならないのでしょうか。その答えは1つ、“自由”の意味を履き違えてしまうアフィリエイターが多数いるからです。「テキストを自由に改変して使って下さい」、「好きな商品ページに自由にリンクして下さい。」。これだけ聞くとアフィリエイターの事を思いやる素晴らしいECサイトに聞こえます。しかし、実際にこうした自由リンク素材を提供しているECサイトは、自由リンク素材がもたらす危険性についても認識しているのでしょうか?
自由テキストリンクを提供するということは、過剰な煽り文句や真実からかけ離れた宣伝文をアフィリエイト・サイト側が勝手に作れるということです。自由な商品リンク作成権を提供すると言う事は、一般には公開されていないセールページや会員ページへのリンク掲載や、著作権侵害の恐れのある画像ページへの直接リンクをアフィリエイト・サイト側で作れると言う事です。
つまり自由リンク素材を提供するということは、アフィリエイト・サイトが自由に広告素材やリンクページを決められ優れたコンテンツ作成に繋がるというメリットがあると同時に、事実無根の情報掲載やリンク先に不適格なページがアフィリエイト・サイト側で勝手に作れてしまうと言うデメリットにもなりえるのです。自由リンク素材の提供は、裏を返せば「アフィリエイト・サイトのコントロール権の放棄」になってしまうのです。
事実、何の考えも成しに自由リンク素材を提供してしまったがために、アフィリエイトサイトが引き起こす問題に頭を悩ませているECサイトは多数存在します。アフィリエイト・サイト側にとっては悪気は無くても、自由リンク素材が使用されているがためにトラブルに繋がるケースというのも確かに存在します。
“自由”には常に“責任”が必要とされていますが、まだまだ“お小遣い稼ぎ”のイメージが強いアフィリエイト・プログラムでは、残念ながらその“責任”を果たそうとするアフィリエイト・サイトと提携するのは大変難しくなっています。責任を取らないのに自由ばかり主張し続けるアフィリエイト・サイトが国内アフィリエイト業界には多数存在します。彼らにどの程度の自由を与え、そして同時に責任感を持ってもらうか。アメとムチではありませんが、そうしたバランスの部分をいかにECアフィリエイト・プランナーが理解できているかによって、ECサイトのアフィリエイト成功が大きく左右されるでしょう。
【VOL.20】-注意- スタート時のコミッション |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月