ブランドイメージの低下がなぜアフィリエイト・プログラムにより引き起こされるのか。この点について真剣に考えられているECサイトはあまり多くはありませんが、考えていないだけでイメージの低下が実際に起こってしまっているケースも現実問題として多々存在しています。最悪の場合、アフィリエイト・プログラムを導入した事でサイトの売上や評判ががた落ちになってしまう、というリスクも十分に考えられるのです。
ブランドイメージの低下を引き起こす要因はいくつかありますが、その最も大きな理由がアフィリエイト・サイトの質になります。提携しているアフィリエイトサイト数が多ければ多いほど売り上げ増加の可能性が高くなりますが、逆にブランドイメージが損なわれるリスクも高くなるという事を理解しなければなりません。
例えば、もし貴方の会社がアフィリエイト・プログラムを提供しており、提携サイトの1つに不法ビジネスの紹介や人種差別といった問題あるコンテンツを掲載している所があったとしましょう。そのアフィリエイト・サイトが大々的に貴方の会社のアフィリエイト広告を掲載していて、「当サイトのスポンサーです」とでも紹介文を記載しているとします。その結果、貴方の会社のアフィリエイト売上が増えることはあったとしても、ブランドイメージが高まる事は決してないでしょう。
また、ショッピングコンテンツを中心としたアフィリエイト・サイトが貴方の会社のアフィリエイト商品リンクを掲載していたとします。そのサイトを訪れたユーザーが、そこが貴方の会社のショッピングページと勘違いして問い合わせメールを管理人に送ったとしましょう。そして管理人はメールを無視し、問い合わせに対する返信をしないと仮定します。問い合わせを受け取ったアフィリエイトサイト管理人は、貴方の会社で働いている人間ではありません。しかし、一般ユーザーからしてみれば、そのアフィリエイトサイトが貴方の会社のサイトだと信じているわけですから、返信が来ないことで「ユーザーに対するサポートが出来ていない会社」という不名誉なレッテルを貼られる事になってしまいます。
ブランドイメージが低下するケースには多くの理由が存在しますが、そのどれもに共通して言える事はECサイトがアフィリエイトサイトを理解せず、ガイドもできず、好き勝手にやらせてしまっている(もしくはコントロールしようとしてもできていない)からこそリスクとして上がってきてしまうというものです。ECアフィリエイト・プランナーの仕事の1つ、それはアフィリエイトで売上を増やすのと同時に、ブランドイメージの向上に常に取り組み続ける事です。
【VOL.26】-リスク- 著作権&肖像権の侵害 |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月