このインプレッション型広告はネット広告業界の創世記からあった手法で、特に媒体力のある大手サイトによく見られる広告掲載手法と言えます。表示回数ごとに料金を設定する仕組みですので、露出回数保証広告とか、表示回数保証広告とも呼ばれます。インプレッション広告を理解するうえで外せないのが、ページビュー(以下、PV)になります。こちらは読んで字のごとく、特定のページが何回開かれたかを計る単位になります。例えば、1ページに同じバナー広告が3つ掲載されていた場合、そのページは開かれるごとに「1ページビューと、バナー広告3インプレッション」がカウントされることになります。
インプレッション型広告は、ユーザーの目に広告がとまることを条件に料金を設定するシステムになっています。ですから、先にも書いた通りある程度の集客力を持ったサイトで無いと、広告主にとってはインプレッション型広告を出稿する意味があまり無くなってしまいます。インプレッション型広告を採用している媒体サイトとして、おそらく最も有名なのがポータルサイト日本最大の規模を誇るYahoo!JAPANでしょう。そのほかにも大手のポータルサイトやニュースサイトなどがインプレッション方の広告形態を採用していますが、だいたい1PVあたり1円前後の設定となっているようです。
アフィリエイト広告は成果があってはじめて広告費を支払うオンライン・マーケティング手法なのに対し、インプレッション広告ははじめから「何回の広告表示にいくら払う」と言う点が決定されています。ですので、例えば100万円の予算をつぎ込んで100万回のバナー広告インプレッションを得たとしても、最悪の場合1つも商品が売れない可能性もあるわけです。ただ逆に考えると、少なくとも表示回数や期間は保証されるわけですから、いつどこのサイトでどれくらいの期間表示されるか分からないアフィリエイト広告よりはコントロールしやすいという利点も存在します。
アフィリエイト・プログラムの台頭で、現在最も苦戦しているのがこのインプレッション広告だと言っても過言ではないでしょう。昔は露出回数で広告費を獲得できていたサイトも、今ではアフィリエイト・プログラムを採用し、成果報酬で広告費を取っている所も少なくありません。インプレッション型広告で広告費を得ているサイトは集客力がずば抜けて高いサイトか、テーマが特化していて訪問するユーザー層がはっきりしているサイトがほとんどです。そのため、広告主の観点で見ると、売上よりもまずはいかに多くの人に広告を目に留めてもらうか、もしくは特定層にアピールできるかを考えた時に活用しやすい広告手法だと言えます。
インプレション型広告は衰退してきたとは言え、まだまだ重要な広告手法の1つであることには変わりありません。アフィリエイト広告(成果報酬)とインプレッション広告(固定費)を足した広告掲載方法を取っているサイトも多数存在します。ECアフィリエイト・プランナーとしてインプレッション広告にも出稿する場合は、その目的(ブランドイメージアップなのか?売上獲得なのか?それとも集客重視なのか?)を明確にし、投下予算とのバランスに気をつけなければなりません。アフィリエイト広告で補えない所をインプレッション広告で、そしてインプレッション広告で足らない所をアフィリエイト広告でカバーするのが、正しいネットーマーケティング手法だとも言えます。
【VOL.35】-ネット広告- SEO実施 |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月