広告主(ECサイト)側にとって、多数の会員を抱えるポイント系サイトとの提携はメリットとデメリットの両方が存在します。企業カテゴリーで言えば大手企業や中小企業に属するポイント系サイトをあえて単独で取り上げたのも、ポイント系サイトが他アフィリエイトサイトとは大きく異なった体制となっているからです。
ポイント系サイトのここでの定義は、「会員組織を持ち、広告受信や商品購入といった行動を会員が起こすたびに、賞品と交換可能なポイントが貯まるサービス」としています。では広告主から見た場合のポイント系サイトのメリットとは何でしょうか。それは、サイトの規模に関わらず、そのポイント系サイトには登録している会員組織があるという事。そしてその会員は、ポイント獲得のためのアクションを起こしやすいということです。
ポイントというメリットがユーザーにありアクション発生率が高い点こそ、ポイント制度のあるサイトとそうではない一般の会員組織サイトとの違いでしょう。また、ポイントが加算されるメール広告や広告ページの方が開封率は高く、露出を増やしてブランド認知を高めたい企業にとっては有効な手段としてポイント系サイトは見られています。
では逆にポイント系サイトのデメリット、というより注意すべき点はどこなのか。大きなところで挙げると2つあります。1つ目は、不正ユーザーがどうしても多くなってしまう点。ポイントゲットだけを目当てに、注文後のキャンセルや架空人物からの購入などの不正な利用をするユーザーは必ず存在します。特にポイント発行後に不正が発覚してしまうと、対処にかかる時間と手間に悩まされることとなるでしょう。
2つ目の注意点、それは他アフィリエイトサイトとの調整です。特にアフィリエイトサイト毎やサイトカテゴリーごとにコミッションを調整している広告主は注意が必要な分野です。例えば、ポイント系サイトに5%のコミッションを払い、一般のアフィリエイトサイトに3%のコミッションを支払っているとしましょう。この時、ポイント系サイトがユーザーに還元する率が3%以下ならまだ良いのですが、これが3%以上になってしまうとアフィリエイトサイトから見ると不公平に写ってしまい、悪ければクレームも届く事となりえます。コミッション含め、ポイント系サイトと一般のアフィリエイトサイトとの間にあまりに格差をつけてしまうと、後々問題が出てきてしまいます。
多くの会員を抱えるポイント系サイトは、広告主にとっては魅力的なアフィリエイト提携先になります。ですが、ポイント系サイト特有の問題点をしっかりと認識しておかないと、後々困った事になってしまうのもまた事実です。ECアフィリエイト・プランナーの立場でポイント系サイトと提携する際には、ポイント付与のタイミングや還元率、今までの実績、利用アフィリエイト・サービス・プロバイダーからの評価など、しっかりと下調べする事が重要になるでしょう。
【VOL.14】-提携- 個人サイトとの提携 |
執筆者: KASAI
掲載日: 2006年10月